残業代ゼロで、24時間死ぬまで働け社会になるのか・・・。

 

政府は十一日、労働時間に関係なく成果で給与を支払う「残業代ゼロ」制度の対象を「少なくとも年収一千万円以上」で「職務の範囲が明確で、高い職業能力を持つ労働者」と決めた。今月末に閣議決定する成長戦略に明記し、二〇一五年の通常国会に関連法改正案の提出を目指す。
民間給与実態統計調査(二〇一二年)によると、年収一千万円以上の給与所得者は約百七十二万人で、全体の約3・8%(管理職も含む)。
だが、経団連会長の榊原定征東レ会長は九日の会見で「少なくとも全労働者の10%は適用を受けるような対象職種を広げた制度にしてほしい」と述べた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014061202000147.html

そして12日の会見では、「あまり限定せず、対象職種を広げる形で制度化を期待したい」と述べている。
http://www.asahi.com/articles/ASG6D5GBSG6DULFA023.html

●減らすべきは残業であって残業代ではない。

そもそもこの話が出てきたのは、日本人の労働生産性が悪く、G7諸国で最低である点にある。
かといって労働時間はアメリカに匹敵するほど長い。
そこから導き出される結論は、長時間ダラダラ働いているということになる。
http://www.j-cast.com/kaisha/2011/08/11104044.html?p=all

しかし、この平均労働時間は表に出ている数字だと思う。
いわゆるサービス残業を加えるといったい何時間になるのだろうか。
上記のリンクにもあるように、仕事の効率が悪いのは労働時間が長いからである。
いい変えれば、長時間、仕事以外のことをしていないことにある。
長時間労働による、負のスパイラルに陥っているのである。
http://www.j-wave.co.jp/blog/news/2014/04/post-708.html

仕事の効率を上げるには残業時間を含め、労働時間を削らなければならないはずだが、出てきたのは残業代をゼロにするというまったくトンチンカンなものである。
ある人にいわせると、残業代がゼロになればそもそも残業という考え方がなくなって残業はなくなる、というのだけれども、ではサービス残業はどうなるのか。
これではサービス残業は残業ではない、つまり合法ということになり、さらに長時間労働になるのではないか。

それに、「年収一千万円以上」で「職務の範囲が明確で、高い職業能力を持つ労働者」とあるが、その4%の人の働き方を変えたところであまり良い結果は期待できない。
にもかかわらず年収で切ってくるということは、これをズルズルと下げ、最終的にどのラインにもってくるかは分からないが、残業代をケチろうという意図があるのは明白だ。
そして、経団連会長の、対象職種を広げるという発言である。
東京新聞が指摘しているように、これを蟻の一穴としてどんどん適応範囲を拡大していくと思われる。

労働基準法ではの残業代(時間外労働)については以下のように書かれている。

時間外労働を行った場合、通常の労働時間(休日労働の場合は、労働日)の賃金の2割5分以上5割以下の範囲内で政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない(第37条第1項)。
平成22年4月施行改正法においては、時間外労働が月間60時間超となった場合、上の率は5割(時間外労働が深夜に及ぶ場合は7割5分)となる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E9%96%93%E5%A4%96%E5%8A%B4%E5%83%8D

なぜ割増賃金になるかは、時間外に労働をさせる会社に対するペナルティである。
だから割増賃金を課し、それを払いたくなければ時間外労働をなるべく避け、ひいては労働者を守ることになる。
それを取っ払うとどうなるか。
やっちゃいけないとなっている現在でさえサービス残業が問題になるのだ。
無尽蔵な残業(残業という概念がなくなるから労働か)となるのは明らかである。

ワタミの元会長、渡邉美樹氏のいう、「24時間死ぬまで働け」という社会がすぐそこに待っていそうだ。

ちなみに、日本人がくたばったら成長戦略の名のもとに外国人を連れてきて働かせるのだろう。
http://www.asahi.com/articles/ASG6G5CHXG6GULFA003.html?iref=com_alist_6_01

まったくもって現代の奴隷制度だな・・・。

どちらが先かは分からないが、ゴリ押しとも思える決定の裏には、経団連の政策評価と政治献金斡旋の再開があると思う。
金が欲しければこの法案を通せ。
成長戦略なんて耳触りのいいことをいってみても、結局は金(献金)欲しさなのだろう。
若者がどうなろうが金を儲けられればそれで良し。
世間が目標とする大人はそう申しているのであります。
http://blog.goo.ne.jp/22jpgoo/e/20b1f3c130fdeebfb9d8047cb09444f8

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