デュアルピクセルCMOSの真価は減光フィルター装着時

 

今更ながらだけども、最近のキャノンが採用しているデュアルピクセルCMOSが便利だ。
デュアルピクセルCMOSとは、一つ一つの画素センサーが2分割され、位相差センサーも兼ねる構造のこと。
センサーが2分割されていると集光面で不利なような気がするのだけども、画像が劣化したとか、ダイナミックレンジが落ちたとかいわれているのは聞いたことがないので、その点は大丈夫なのだろう。
自分も使っていてそれ以前のものよりも劣っているという感覚はない。
結果として、ミラーアップの状態でのAF(オートフォーカス)は遅い上に不正確でとても使えたものではなかったのだけども、デュアルピクセルCMOSになって以降は、今までとは比べ物にならないくらい早くて正確になった。
背面液晶に写してのピント合わせはMF(マニュアルフォーカス)で最後に詰めるとか、暗くてAFが使えない時にMFで合わせる位にしか使えなかったものが、今ではミラーレス機みたいに背面液晶で完結できるようになった。
普段はファインダーを覗けばいいのだけども、それができない状況、例えば腕を伸ばしてとか、地面を這いつくばってなんかの場合は背面液晶で撮影した方が断然便利だ。
で、それ以上に便利だと思ったのは、減光フィルター装着時である。

 

先日原岡海岸に行った時の下の写真は、500分の1(絞り9段分)のフィルターを付けている。

原岡海岸

原岡海岸

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このくらいのフィルターを付けると、昼間でもかなりのスローシャッターが切れるようになる。
が、その弊害として、ファインダーは真っ暗になっていしまい、AFが使えなくなってしまう。
なので、普通は先にピントを合わせておいた上で減光フィルターを付けるのが習わしだった(習わしというか、それしかできなかった)。
が、背面液晶を使えば、減光フィルターを装着していてもAFが使えるのである。

ND500
ND500(500分の一減光フィルター)はこのように真っ黒。

ND500

ND500フィルターを付けた状態での背面液晶の画像。
昼間、晴天時であればファインダーでもなんとか合焦するが、かなり暗い。
背面液晶は余裕で合焦できるくらいの明るさがある。
無理な体制の上にスマホで撮ったらブレちった。

 

背面液晶の画像は、絞りやシャッタースピードにかかわらず、だいたい同じ明るさで表示される(もちろん限界はあるけども)。
明るければ減光し、暗ければ増光するという具合だ。
減光フィルター装着時、ファインダーは真っ暗でも背面液晶にはそれなりの明るさで写ってくれる。
そして、増光した状態でAFが作動し合焦してくれる。
これはとても便利である。
今までピント合わせが面倒臭くて、大きく減光する減光フィルターはあまり出番がなかった(絞り2段とか3段分、ND4とかND8と呼ばれるものは、ファインダーでのAFは可能)。
でも、これからはそれが積極的に使えるようになった。
技術の真価ってスゲーと改めて思った次第。

 

ただね、もともと画素センサーを通してファインダーに送る機器(オリンパスOM-Dとか、ソニーのミラーレス機)は、暗くて見えないなんて苦労はせず、ファインダーで完結できてるのだろうなと思うと、自分の苦労はなんだったんだろうと思う次第(あくまで推測です。実機でやったことはありません)。
ファインダーの追従性やバッテリーの持ちは未だ一眼レフに分があると思うのでそれでいいのだけども、いずれはそれらも追いついて来るのだろう。
それまでは、ミラーの感触を楽しむといたしましょうか。

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