朝の4時。
うとうとしながらラジオ深夜便を聞いていると(長野方面で震度6弱の地震があり、ラジオを付けっぱなしにしていた。被害に遭われました方々にはお見舞い申し上げます)、いつも4時台にやっている明日へのことばが始まった。
この日は「残業をなくせば会社は伸びる」と題し、元・会社社長 吉越浩一郎さんのお話だった。
ご存知の通り、日本では長時間労働による過労死や鬱、自殺が社会問題となっている。
吉越さんは外国での経験を元に日本の会社の働き方を変え、残業ゼロはおろか増収増益を達成された。
外国では残業はほとんどなく、終業時間になれば皆パッと帰る。
それができるのは、そもそも日本と働き方が別物であるからという。
外国では、仕事が始まれば一言もしゃべらずに仕事に集中する。
仕事もデッドラインを決めて、そこまでにきっちりと終わらせる。
しかし日本では、ワイワイガヤガヤととても仕事をする環境にはなく(それが必要な面もあるにはあるが)、残業時間になってやっと静かになってやおら始めるかなという感じだ。
それでは就業時間内に終わらせることは絶対にできない。
吉越さん曰く、仕事はやはり苦行であるという。
日本では仕事を楽しむなんて風潮があるが、それは違うとのこと。
では、外国では仕事に楽しみなんてないかというとそうではなく、結果をもって楽しみとするという。
日本では仕事そのもの、過程を楽しむのがいいとされるが、それは間違いであるという。
仕事自体は苦行であっても、会社の業績が上がり、結果として自分の給料も上がる。
そこはまったくその通りであると思う。
長時間労働を受けて残業代ゼロ法案ができてしまいそうだが、吉越さんはそれ自体に賛成ではあるものの、始める前に、きちっと残業をせずに仕事を終わらせられるようになってからすべきであるという。
たぶんそういう措置をせずに残業代だけゼロにすることになってしまうと思うが、そうなれば日本は残業代ゼロのただ働き地獄となろう。
安倍さんのやり方を見ていると分かるが、基本方針は従業員の健全化ではなく、いかに給料を低く抑えるかが主眼となっている。
非正規労働者を増やしたり残業代をゼロとしたりして人件費を抑えることが成長とはチャンチャラおかしい。
長時間労働の改善は、今のままでは、ましてや残業代をゼロにしただけでは絶対になくならない。
日本では長時間労働が標準となっているのだから、時間だけを短縮すれば業績は上がらなくなるだろうし、残業代をゼロにすれば延々と残業が続くようになろう。
仕事のやり方から変えないとダメなのだと、改めて思った次第。
そうやって初めて業績も上がるし、働く従業員の私生活も充実できるのである。
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