台方のくず餅

 

という看板を見かけてずっと気になっていた。
そしてようやく行くことができた。
お店は、持ち帰り用のくず餅とところてんのみで、イートインは無い。
1袋550円のくず餅を買って来た。

 

食レポの前に、私は諸事情あって船橋屋さんのくず餅を食べて育った(というのは言い過ぎだけどもww)ので、比較対象は船橋屋さんのモノになるのをご了承下さい。

 

また、くず餅は大別して2種類あり、関東では小麦粉を発酵させたものを使い、関西では葛粉を使うのが一般的だ。
字で書くと、前者はくず餅若しくは久寿餅で、後者は葛餅となる。
くず餅は白くモチモチとした食感で、小麦粉を発酵させた僅かな酸味がある。
葛餅は半透明で、やはりモチモチしているが粘りがある。
いわゆる水まんじゅうの皮の部分みたいな感じだろうか。

台方のくず餅
絞り:F3.5 シャッタースピード:1/30秒 ISO感度:400 焦点距離:35mm

味。
味は船橋屋さんと遜色ないと思う。
変な臭みはなく、小麦粉の発酵したわずかな酸味のみ。
非常に好ましい。

 

食感。
船橋屋さんよりもちょっと柔らかめだけども、一片の厚みが1.5倍くらいあるので、恐らくわざと柔らかめにしているのだろうと思う。

 

黒蜜、きな粉と合わせて。
黒蜜ときな粉を合わせて食べるのは船橋屋さんと一緒だけども、厚みがあるので黒蜜のかかっていない中身の味の無い部分(くず餅の本体)が舌に当たる。
もしそれが気になるのであれば、追い黒蜜(黒蜜の直飲み)が有効だ。
だが、私はそれはそれで好ましいことだと考える。
黒蜜ときな粉だけの味になってしまうのではなく、くず餅本来の味も味わえて変化を楽しめる。

 

余談だけども、まだ自分が子供の頃きな粉餅(きな粉餅として市販されているものではなく、餅を焼いてきな粉を付けて食べていた)を食べていると、祖母が、〇〇ちゃんは本当にお餅が好きなんだねえ、と言われたことがある。
なぜかと聞くと、きな粉をあまり付けないで食べていたからだという。
個人的に餅の風味(もち米の風味)が好きなのでそのようにしていたのだけども、なるほど世間からはそう見えるのかと思った記憶がある。

 

というわけで、くず餅本来の味を楽しめるのは玄人だけ(何の?)であります。
恐らく、船橋屋さんはそれを避ける為にあの厚みにしているのかなと思った。

 

そんなわけで非常に好ましく思って調子に乗って食べていると、スゴく腹にたまる事に気がついた。
そりゃ、いつもと同じように盛れば自ずと1.5倍の量を食べているわけで、言うなれば、小麦粉の塊を相当量食べていることになる。
そりゃ腹にたまるわなあ。
焼いてないけども、種無しのパンをけっこうな量食べていることと一緒か。

 

ところで諸説あるものの、餅の語源はユダヤの過ぎ越し祭(パスオーバー)で食べる種無しのパン、マッツォ(マツォ、マッツァ)にあるというものがある。
確かに原料は違うものの、餅には種を入れないのでやっていることは一緒か。
つまり、餅は神の厄災避け(過ぎ越し)の為に食べているのです。

 

が、マッツォってどう見ても餅というよりはクラッカーよねwww
ボール状の物もあるけども(マッツォボール)。
信じるか信じないかは貴方次第です。

 

今回紹介した台方のくず餅こと川嶋商店さんは創業130年とのこと。

 

船橋屋さんも古いけども、老舗のお店の物の方が美味しいと感じるのは、酒蔵みたいに家付きの菌とかあるのかね?

 

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