楽天モバイルが携帯電話に参入する。
楽天は現在格安スマホ事業を行っており、NTTドコモの回線を間借りしている。
それを自前で基地局を整備していくという。
果たして楽天は、現在9割以上のシェアを占める大手3社の寡占状態を崩せるのだろうか?
結論からいって無理だと思う。
NTTドコモは、通信網の整備の為に年間5000億円を投じているという。
大手の通信料金が下がったとはいえ高いのは、この通信網を整備するためだといわれている。
一方今回楽天が調達する資金は6000億円である。
何か安価で通信網を整備できる案があるのかは分からないが、単純に見て1年ちょっとしか持たない金額だ。
楽天は既に楽天モバイルを展開しているので、大手3社のような通信料をユーザーから得るのは難しいだろう。
せいぜい今の料金プラスαがいいところであるから、収益性という面でもそれほど多くは望めないだろう。
結果として、6000億円という金額を毎年のように投じるのは、収益性でも楽天の体力から見ても難しいと思われる。
私と同じように考えたのだろう。
携帯事業参入を発表すると、楽天の株は下げた。
しかし、それでも大手3社に一定の影響は及ぼせると考えたのか、一緒にNTTドコモ、au、ソフトバンクの株価も下がっている。
現在格安スマホの楽天モバイルを使っている身としては、変に投資なんかしないで今のまま行って欲しいと思っている。
楽天モバイルの利点は第一に安いことではあるが、第二に料金体系が分かりやすいことにある。
最近は2年縛り、3年縛りみたいなこともやってきているが、それでも大手3社のようになんとか料とかなんとかオプションとか分かりにくくはない。
分かりにくくはないのだけども、まだ大手3社から格安スマホに乗り換えるには敷居が高いように思える。
敷居の高さの原因は、手続きの方法とサポート体制にある。
手続きならば、現状使っている携帯会社の解約と以降手続き、今使っているメールはどうなるのか、今使っているスマホは使えるのか(新規で買わなければならないのか)。
サポートでは、壊れた時にはどうするのか、設定方法は、等々、大手3社であればショップが至る所にあるのでそこへ相談すればいいのだが、格安スマホではそれができない。
だから、楽天が収益性はあまりよくないとはいえ通信事業でシェアを伸ばしたいのであれば、サポート体制を充実させて敷居を下げることにあるのではないだろうか。
そこが解消できなければ、いかに独自で通信網を整備しようが、料金が安かろうが、ユーザーは付かないのではないだろうか。
楽天が投資すべきは、独自の通信網ではなく店舗などのサポート体制である。