富山県南砺市立野原東(城端)のアニメ制作会社「ピーエーワークス」が手掛ける新作アニメ「白い砂のアクアトープ」の監修を、魚津水族館が担っている。閉館の危機にある古い水族館が舞台で、築40年になる魚津水族館の担当者は「親近感がある」と苦笑い。魚同士の相性やペンギンの飼育法など専門家の助言が反映され、作品世界に厚みを持たせている。
ヤフーニュースより。
魚津水族館
魚や水槽の描写がとてもキレイで癒やされる。
また、もちろんお話的に端折っているところも多いだろうけども、水族館の裏側が描かれていて面白い。
ペンギンの餌の魚は解凍時に栄養が流れ出ちゃうからエラにビタミン剤を仕込んでいるとか、趾瘤症(しりゅうしょう。足の裏にできる魚の目みたいなもので、悪化すると感染症を起こし命を落とすこともあるという)なんてものができるとか、知らんよ。
魚津水族館へは一度行ったことがある。
常設展示されているわけではない「オオグチボヤ」がいてラッキーだった。
地元の鴨シー(鴨川シーワールド)や美ら海水族館のように大型の水族館にはない、手が届くような展示がとても印象的で、また行きたいと思っていた。
水族館のある種別世界のような雰囲気がとても好きだ。
白い砂のアクアトープの舞台の水族館は「がまがま水族館」という。
ガマとは、「沖縄にある自然に出来た洞窟の事」と聞いたとき、瞬時にその名前良いのか?と思ったけども、続けて「戦争中は悲しいことがたくさんあった所だけど、昔はこの世とあの世を結ぶ場所ともいわれていた」とあり、個人的には救われたような気持ちになった。
私は一度ガマに入ったことがある。
ツアーでの参加であり、戦時中の悲惨な話を聞いた。
今でも思い出すのは、洞窟の中で懐中電灯を消した時に訪れる真の闇だ。
一寸先どころか目の前の自分の手すら見えないような闇というのは、後にも先にも体験したことがない。
星の撮影等で暗いところに行くことはよくあるけども、星明かりや月明かり、町の明かりがあって真っ暗ということはない。
ガマは兵士や住民の批難場所や野戦病院としても使われた。
明かりはあってもろうそく位のものだっただろう。
米兵が迫ると、わずかな明かりも消し、悪臭立ち込める中、わずかな光すらない闇の中でひたすら耐えたのだろう。
ガマはとにかく悲惨なところという印象しかなかったけども、昔はこの世とあの世を結ぶ場所ともいわれていたというくらいだから、神聖視されていたのではないだろうか。
と同時に、そういう場所を戦争で使わなければならなかった苦悩もあっただろう。
でも、悲しい思いだけではなかったことは、私にとっては救いだった。
戦争体験も重要だけども、そこがどういう場所であるかという説明も同じく大事ではないだろうか(暗闇体験があまりに強烈すぎて忘れてしまっただけかもしれないけども)。
●まくとぅそーけー なんくるないさ
作中冒頭に出てくる言葉。
よく「なんくるないさ(なんとかなるさ)」だけ取り上げられるので、沖縄の人たちは単純に楽観的なのだと思っていた。
本来は「まくとぅそーけー なんくるないさ(正しいことをしていれば、いつかはなんとかなるさ)」であるという。
ぐっと言葉に重みが増す。
琉球王朝時代の中国と徳川幕府の板挟み。
琉球王朝がなくなり日本へ。
そして太平洋戦争。
時代に振り回されてきた沖縄の地。
そんななかで「まくとぅそーけー なんくるないさ」という言葉が生まれたという。
現代においても米軍基地が集中し、改善されているとはいい難い。
それを考えると非常に重い言葉だと思う。
コロナで身動きが取れずに沖縄に恋い焦がれているというひいき目もあるかもしれないけども、そんな色々なことを考えさせてくれる「白い砂のアクアトープ」良いです。
まくとぅそーけー なんくるないさ。
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