コロナ後の世界を想う

 

先日、日本文学者、東京大学名誉教授、国文学研究資料館館長と様々な肩書を持つ、ロバート・キャンベルさんがラジオに出演され、江戸時代に麻疹(はしか)やコロリ(コレラ。コロッと亡くなってしまうところからコロリと呼ばれた)が流行した時の資料を紹介されていた。
日本は昔から感染症と向き合ってきており、それらの記録が現在の私達にも役に立つのではないかと仰っている。

 

国文学資料館では、日本古典と感染症として動画を公開している。

 

感染症はお金持ちもそうでない人も身分に関係なく罹り、普段賑わっている焦点や神社、遊郭が閑散としている様子を淡々と、しかしコミカルに描かれているという。
江戸の人たちも現代人の私達と同じく、外に出かけられない鬱憤をこうやって沈めていたのかもしれない。
ソーシャルディスタンスや病原菌、ウィルス等現代でこそ得られている知識は当時はなかったことだろう。
それでも、生活を工夫し社会全体で立ち向かおうとしていることがとても興味深い。

 

動画で出てくる式亭三馬の麻疹戯言はネットでも見ることができるけども、自分には学がないので読めなくはないけどもものすごく時間がかかりそうだ。

 

箸を使う、トイレ(厠)は離れに等々、今私達が当たり前に行っていることは、そういう工夫や対処の積み重ねであるという。
新型コロナウィルスのワクチンができるか、集団免疫を獲得するまでは、マスクをしたり、ソーシャルディスタンスを確保したりと、コロナ前のような生活はできないだろう。
新型コロナウィルスを克服したところで、また新しいウィルスなり病原菌による感染症はいずれ来ると思われる。
それでも、昔から連綿と繋げられてきた今の当たり前に行っている生活を思えば、案外短期間で慣れてしまうのではないかと思う(面倒くさいけども)。

 

間もなく一部地域で緊急事態宣言を解除しようとする動きがでてきた。
しかし、恐らく第二波、第三波がやってきて、締めたり緩めたりを繰り返すことになるのだと思う。
それでも、このコロナ禍を笑い飛ばせる日が来ることを願わずにはいられない。

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