うつろ舟はUFOか?

 

虚船(うつろ船)伝説をご存知だろうか。
いくつかバージョンがあるものの、最も有名なところでは、好事家の集まりである「兎園会」のメンバーであった南総里見八犬伝の曲亭馬琴(滝沢馬琴)が「兎園小説」にまとめた「虚舟の蛮女」であろう。

 

享和3年(1803年)、常陸国鹿島郡にある旗本(小笠原越中守、小笠原和泉守などとされる)の知行地の浜に、虚舟が現れた。
虚舟は鉄でできており、窓があり(ガラスが張られている?)丸っこい形をしている。
虚舟には文字のようなものがかかれている。
中には異国の女性が乗っており、箱を持っている。

ウィキペディアより。

 

その後気味悪がった人たちは、また沖へ流してしまったという。

 

で、そんなうつろ船の展示会が茨城県の常用資料館で開催中だ。
期間は3月19日まで。
あまり期間が残っていませんので、興味のある方はお早めに。

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

エントランスにある展示は撮って良いよというのでちょっとだけ。
ほほう、これがうつろ舟文字かあと悦に入る。
撮影禁止のコーナーには、上で紹介した兎園小説の写本等が置いてあって、ネットでは見たことがあったけども、やっぱり本物は違うなあとやはり悦に入った。

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン 17-35mm F/2.8-4 Di OSD
絞り:F8 シャッタースピード:8秒 ISO感度:100 焦点距離:17mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン 17-35mm F/2.8-4 Di OSD
絞り:F8 シャッタースピード:8秒 ISO感度:100 焦点距離:17mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン 17-35mm F/2.8-4 Di OSD
絞り:F8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:800 焦点距離:17mm

神栖市にある舎利浜(しゃりはま)。
この辺りに流れ着いたのかあ。

 

兎園小説には実在の場所は書いてなかったものの、別の資料と伊能忠敬の地図と照らし合わせて舎利浜であることが分かったという。

 

うつろ船伝説と養蚕の起源とされる金色姫の話が似ているといわれている。
うつろ船が流れ着いたといわれる舎利浜の近く(近くでもないけども)に蚕霊尊を祀る星福寺(しょうふくじ)と蚕霊(さんれい)神社がある。
もともとは一緒に祀られていたけども、廃仏毀釈で別々になったという。
星福寺には滝沢馬琴も訪れているということで、この話が元になっているかもしれない。
養蚕の起源は茨城県とされ、蚕霊神社、蚕影(こかげ)神社、蚕養(こかい)神社と養蚕絡みの神社が3つある。

 

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

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絞り:F8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

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絞り:F2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

星福寺。
衣襲明神(きぬがさみょうじん)が蛮女のモデルになった?

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F8 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

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絞り:F1.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

うつろ舟

canon EOS R6/タムロン SP 35mm F/1.8 Di VC USD
絞り:F1.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100 焦点距離:35mm

星福寺の近くにある蚕霊神社。
小さな神社なのだけども、境内の森が鬱蒼として妙な迫力がある。

 

当時海外からの漂着物もけっこうあったのかもしれない。
恐らく滝沢馬琴は、金色姫と「その辺りの話とごっちゃにして創作したのではないだろうか。
ただ、兎園小説やうつろ船のオブジェにもあった変な文字(△に小さい○が付いてるような文字等)の出どころはどこなのか。
それも創作なのか。

 

舟ではないものの似たような話で、駿府城に「ぬっぺふほふ(のっぺらぼう)」が現れたという話がある。

文化時代の随筆『一宵話』に、ぬっぺふほふに似たものが現れた話がある。

1609年(慶長14年)、駿府城の中庭に、肉塊のような者が現れた。形は小児のようで、手はあるが指はなく、肉人とでもいうべきものだった。警戒の厳しい城内に入り込む者は妖怪の類であろうと思われたが、捕まえようにもすばやく動いて捕まえられない。当時の駿府城に住んでいた徳川家康が、その者を外へ追い出すよう命じたため、家来たちは捕獲をあきらめて城から山のほうへと追い出した。

後にこの話を聞いた薬学に詳しい者は、それは中国の古書にある「封(ほう)」というもので、白沢図にも記載があり、この肉を食べれば多力を得る仙薬になったと口惜しがったという。

ウィキペディアより。

 

また、ぬっぺふほふではないものの、やはり駿府城に四肢に指なき者が現れて追い出したという話が伝わっている。
出どころが徳川実紀(御実記)なので、確かにあったことなのだろう。

↑非常に見にくいのだけども、右上の所。

 

謎の文字がもたらされたのは、実はこの時らしいのである。
徳川家康は箱を受け取り、その中に謎の文字が書かれたなめし革が入っていたという。
どうする家康!?

 

後になって滝沢馬琴が金色姫の伝説と織り交ぜて、その関係で近くの舎利浜を選定したのではないだろうか。
舟は箱の暗示だろう。
そして何らかの意図を持って世間に出した・・・。
ちなみに、その箱は日光東照宮にあるとかないとか・・・。

 

信じるか信じないかは貴方次第です!!

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